2021年4月13日(火)
朝 の 説 教
- 父ヨセフの苦悩と優しさ- 『マタイによる福音書』1章18~25節
1 はじめに
今日学ぶ聖書は『マタイによる福音書』1章18節からです。すぐ開(ひら)けるように、1年生は聖書に栞を挟んでおきなさい。大事なところには「傍線を引きなさい」とか「~を書き込みなさい」と言いますので、必ず筆記用具を手元に置いておきなさい。2~3年生もです。また、教会の礼拝では絶対にいことですが、睡眠防止もあり、時には質問しますので、指名された生徒は「ハイ!」と大きく手を挙げ、それから答えなさい。年と共に耳が聞こえにくくなってきました。協力してください。
では、早速、質問します。
Q1.イエス様が生まれたのは今から約何千年前ですか?
Q2.父親の名前は?父親の職業は何?
Q3.母親の名前は?
Q4.イエス様の誕生日は何月何日?それは何と言う日ですか?
Q5.キリストとはどういう意味ですか?
では次に、聖書の13節にある①イエス・②キリスト・③母マリア・④ヨセフの4名を〇で囲みなさい。
次に今日お話ししたい19節の言葉、「夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した」に傍線を引くか、ラインマーカーで塗りなさい。
2 父ヨセフの苦悩と優しさ
イエス様の時代のパレスチナでは、婚約は現在の結婚とほぼ同じ、重い意味をもっていました。清い間柄を保ち、お互いを尊重しつつ結婚式を待ちました。
「できちゃった婚」とか「授かり婚」などあり得ないことでした。そして結婚式は盛大に1週間続きました。もし婚約中にどちらかに不純な行為があれば、石で打ち殺される決まりでした。そうした決まりの中で、マリアが妊娠し、お腹が大きくなってきたことは大問題でした。マリアが他の男性と関係をもったこと以外に考えられません。ヨセフは大きな悩みと苦しみの中に突き落とされました。
ヨセフが取り得る方法は二つでした。一つは、マリアを裁判にかけ、有罪とし、法律に従って石で打ち殺すことです。でも心の優しいヨセフにはとても出来ないことでした。第二の方法は、ひそかに離縁することでした。当時の決まりに従い、街の長老二人の証人を立て、「マリアが妊娠したのは自分と関係したからだ」と嘘を言い、「子を作っておきながら離縁とは何とひどい人間なんだ」と周囲に思わせ、自分が100%悪者になることでマリアを救う方法でした。19節の言葉は、こうしたヨセフの心の動きを書き記したところです。19節に、「ヨセフは正しい人であったので」とありますが、それ以上に、ヨセフは愛の人であったことが分かります。
こうしてただ一人悩むヨセフに主の天使が現れ、「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである」と告げたのでした。
今から2,000年前の最初のクリスマス、そこには、若くて純真なヨセフとマリアという夫婦の悩み・苦しみ・信頼・愛があったのであります