野球部「2022 夏」甲子園日記 8月10日

8月10日

 

佐山、佐山、佐山。選抜までは佐山ありきのチーム。オフの間に今日先発した小林剛介とこんな話しをしたことがあります。「お前は何をするために選抜に行くの?」剛介は「佐山が崩れた時に、何とか試合を作れるように・・・」。と話していました。その時の剛介はまだ「控え投手」でした。「お前、佐山を追い抜き、先発のマウンドを奪うくらいの気持ちを持て!」と叱咤したのですが・・・。

しかし、春季県大会後に佐山がケガをし、投げれず、走れず、エースとしての責任感が強いが故に重圧に耐え抜こうと苦しむ佐山の側にいた剛介が、佐山ばかりに負担をかけられないと、自立していったのが大きかったですね。県大会準決勝の東日大昌平戦の投球も見事、県大会優勝後は鬼気迫る表情で練習に取り組む剛介に賭けた、というのが先発起用の真相です。4回1/3を2失点は立派。持ち味を十分に発揮してくれました。

 

そして剛介のあとを受けた佐山。実は試合数日前のシートバッティングでピッチャーライナーを足に受けるアクシデントもあり、調子が上がりきらない中での登板に不安もありましたが、いざマウンドに上がってみるとエンジン全開!前日までの不調が嘘のような快投で日大三高打線を封じ込んでくれました。その裏には剛介のピッチングに大きな刺激を受けたのは間違いありませんね。この二人、実は大の仲良しコンビ。共に歩んできた二人の「絆」が生んだ快投でした!

 

試合は髙中一樹、三好元気の2年生コンビのまさかの本塁打が飛び出しての逆転劇。強豪校を倒しての初戦突破に、もっと浮かれるのかなと思ったら、喜びは一瞬ですぐに次戦に切り替わった様子をみて何と頼もしい奴らなのかと。試合翌日の練習を休みにしてもいいかなと思っていたのですが、これも選手から練習をやらせてください!と直訴。どこまでストイックなのかと感心してしまいます。彼らにとってこの一勝はこれまでのものと何ら変わりはない、通過点なのです。