甲子園日記 8月17日
百聞は一見に如かず。今の時代は何でも「見る」ことが可能です。インターネットで検索すればどこの国のどんな景色も「見る」ことができます。
甲子園に行くと「本部役員」という方がおり、各県の高野連理事長OBなどが、球場入りから試合後までいろいろとサポートしてくれます。今大会はすべての試合で元福島県高野連理事長の宗像治氏(元福島高校など監督、磐城高校準優勝メンバー)が聖光学院の担当としてついてくれています。やはり長年福島県高野連の発展のためにご尽力された方が甲子園でも側にいてくれるのは心強いです。その宗像先生が敦賀気比戦前に、こんな話をしてくれました。「ベスト4以上にいくと、見える世界が変わる」と。
敦賀気比戦でも選手たちは臆することなく立ち向かい、14安打8得点。2度の大ピンチを凌ぐ1失点で完勝。想定外の試合展開に、我々が驚くばかりです。初戦前に、まだまだこのチームは成長できる、と書きましたが、間違いなく選手たちは一回りも二回りも大きく成長している実感があります。ベスト8に進出し、佐山未來投手の出身地栃木県で開催される国体にも出場できそうです。故郷で凱旋登板。想像するだけでワクワクします。
「まだ見ぬ世界へ」。勝負の世界、こればかりは行った者しか分からない世界です。百聞は一見に如かず、いや、「百見は一触に如かず」です。ぜひ体感してみたい。でも選手たちはベスト4とか、そんなことは意に介していないかもしれません。確かに、「過去の歴史を越える」一戦であるかも知れませんが、とにかくひたすら目の前の一戦に集中しています。優勝を目指す中で、県大会での準々決勝と甲子園での準々決勝、何が違うのかと。優勝を目指す中で、そこに特別な感情は一切感じません。選手たちは、「本気」です。
※8月18日朝日新聞福島版に、下線部分が「百聞は一触に如かず」と記載されます。私のミスです。正しくは「百見は一触に如かず」です。訂正してお詫びいたします。