野球部「2023 夏甲子園日記」第1回 勝者ではなく勇者たれ!

本日、大阪入りしました。7時40分に学校を出発。18時30分頃大阪の宿舎であるホテルNCBに到着しました。

今年も恒例の甲子園日記を書くことにしました。昨年朝日新聞の福島支局さんから「甲子園リポート」の寄稿依頼があり、この甲子園日記が朝日新聞の福島版に掲載されました。なかなか好評だったのでしょうか、今年もぜひ!とのことで、お受けすることにしました。新聞に掲載されるのは文字数の関係もあり、編集されたもの。このホームページでは、原文のまま掲載したいと思います(誤字脱字もあるかも知れません!)。なるべく多く掲載できるように頑張ります!

第1回 7月31日(月)

「勝者ではなく勇者たれ」

7月25日福島大会決勝戦。延長タイブレークとなった10回表に学法石川に4点を奪われる絶体絶命の大ピンチ。正直私たちは敗戦を覚悟しましたが、主将の髙中一樹を筆頭に選手の表情に動揺の色はなく、全く諦めていませんでした。

さかのぼること2週間前。恒例の「壮行試合」を実施しました。1試合目は引退試合の意味合いが強く、2試合目は秋を目指すBチームとの真剣勝負。もちろん力の差は歴然です。しかし,その壮行試合で今年はなんと延長タイブレークの末、BチームがAチームを破ってしまったのです。当然誰もがBチームに負けることなど想像していなかったでしょう。思いもよらない展開に、Bチームを指揮していた私は、Aチームの選手から「焦り」や「迷い」を感じ取りました。結果は延長タイブレークの10回表に2点を挙げたBチームが、その裏のAチームの攻撃を無得点で凌ぎ7対5でBチームの勝利。

私はその試合後から、Aチームの選手に「勝者ではなく勇者たれ!」という言葉をくりかえし投げかけました。負けたら引退、選手たちの心が大きく動くのは当然です。だからこそ甲子園のかかった一戦は様々なドラマが生まれるのでしょう。絶対勝ちたいからこそ、絶対に負けられないからこそそれを超えて欲しい。「勝者ではなく勇者たれ!」の言葉には、「勇者には勝者も敗者もない。不動の心をもって潔くそして勇ましく戦って欲しい」という願いを込めたものです。

かくして10回裏。選手は粘り強くつなぎ、5点を挙げての逆転サヨナラ優勝。劣勢にも果敢に食らいつく選手たちの表情は、まさに勇者たるものでした。

その筆頭株が、主将の髙中一樹。画像にもありますが、延長10回タイブレークで4点を奪われた時に、この顔ができるだろうか・・・苦笑いではなく心の底から笑っている。無理やり作る笑顔ではなく、心の底から笑っている。本当に強くなったな、と。この主将の姿勢が常にチームに勇気を与え、チームを導いていったことは間違いありません。昨年の赤堀颯も素晴らしい主将でしたが、髙中一樹も赤堀に勝るとも劣らない立派な主将に成長してくれました。

さあ、明日から甲子園に向けての練習です。熱く厳しく、調整ではなく成長のために。皆様、ご声援よろしくお願い致します!