昨日開会式を迎えました。夏とは違う独特の雰囲気の開会式。選手たちは清々しくも勇ましく、甲子園の土を踏みしめて素晴らしい行進を見せてくれました。
初日から熱戦が繰り広げられ、特に第3試合の健大高崎高校対明徳義塾はハイレベルな攻防を繰り広げ、2日目の横浜高校対市立和歌山高校の試合も凄い試合でした。同じ東北勢も花巻東高校が大勝し、青森山田高校は惜敗しました。この2日間は東京ドームでMLBの開幕戦も開催しており、否が応でも気持ちが高ぶってきます。あらためて、この場所にいることができることが、幸せなんだと感じます。
プロ野球の名選手であり、名監督でもある故野村克也氏の遺した名言の中に、「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」という言葉があります。仙台育英戦や青森山田戦はまさに「これしかない」という試合でした。見える力は劣っても、見えない力を結集して戦いきった秋。しかし、やっと出場できた神宮大会では大敗を喫し、自分たちの未熟さを痛感して、新たな種まきをしてこのセンバツに備えてきました。
「蒔いた通りの花が咲く」。この言葉も聖光学院が大切にしている言葉です。そういう意味では、今大会でどんな花が咲くんだろう?楽しみでもあり、怖さも湧き上がってきます。誰しも大輪の花を咲かせようと日々を過ごしていますが、実際にどんな花が咲くかはやってみないと分かりませんし、相手に勝ったからそれが素晴らしい花とは限らないとも思います。
大切なことは、どれくらいやり切れたのかということ。前出の健大高崎からも、そして明徳義塾からも、画面越しを通して選手たちの必死さがが伝わってきました。その伝わるものが、明徳義塾の選手たちの蒔いた種なのだと思いますし、それは素晴らしい花だと感じます。
カブスの開幕投手を務めた今永昇太投手が、大谷翔平選手との対戦を前にこのようなコメントを発していました。
「(大谷は)間違いなく世界一の選手であることは間違いない。自分がベストな投球を心がけ、あとはそれを彼が打ったか打たなかったか。自分にできないことをやらないように。ある時には彼の技術も上回ってしまう時もあるかもしれないが、その時点で試合は決まらない。試合が決まるその時まで頑張りたい」。
そうですよね。自分のできることは最大限やりきること。最高にやりきった秋季東北大会。そしてまったくやりきることができなかった神宮大会。相手が強かったからやりきれなかったのか。確かに相手は強かったですが、最大の敗因は自分たちにあった。このセンバツ、相手に勝つ以上に大切なことは、自分ができることを最大限やりきること。それが一番大切だと思っています。
さて、今日(19日)は鳴尾浜臨海公園野球場でシートノックと実戦練習を行いました。そして打ち込みのために希望者7名を連れて尼崎のバッティングセンター「シャローム」に。ちょっと打撃がしっくりきていなかった選手も、フォームを見直し手ごたえがあったようです。
残り2日間、万全の準備をして試合に臨めるようにしていきたいと思います!