野球部「2025 センバツ日記」体現!

泥臭く、粘り強く。節目の甲子園30勝目は、聖光学院らしい野球をすることができました。

延長戦タイブレークは、甲子園では初体験。しかし、タイブレークの練習はこれまで様々なケースを想定して行ってきました。それにしても、10回以降は点の取り合い。勝ち負けはもちろんありますが、それ以上にやりきること。出し尽くすこと。これが大きなテーマだっただけに、そう意味ではよくやってくれたと思います。

前にも書いたかも知れませんが、今はまだ春。甲子園練習にこそ、上級生を大阪入りさせて「甲子園」を経験してもらいましたが、0泊3日の強行軍で控え選手は福島に戻って「センバツ後」に向けて練習を積ませています。

聖光学院の指導スタッフは外部コーチを含めて全部で7人。斎藤智也監督、石田安広コーチ、堺了コーチ、岩永圭司コーチ、鈴木康介コーチ、外部コーチとして本間裕之コーチ、そして私。控え選手ももちろんですが、今の選手たちは入学後、各コーチの下で成長してきました。そんな控え部員やコーチ陣は何を願っているのか。勝てばいいのか。いや、そうではない!

想いはただ一つ。これまでの歩みをいかに体現するか。いかにやり切った野球をするのか。勝っても負けても、これぞ聖光学院という野球をしよう。聖光学院の魂を甲子園に刻む、アルプスにいる仲間やコーチ陣を、失意のうちに福島に戻すことだけは絶対にしてはいけない。そうミーティングで話していました。

今年のチームの大きな特徴は、ベンチ入りの各選手が、試合に出場して様々な場面で活躍する力を有すること。今日も14名の選手を起用し、それぞれが泥臭く、粘り強く、戦ってくれました。相手の常葉大菊川高校も、球際が強く、素晴らしいチーム。両校ノーエラーで緊迫した好ゲームをすることができたのは、本当に良かったと思います。

最後に。常葉大菊川高校の野球部長は、本校の鈴木コーチが常葉大橘高校在籍時に2年生まで監督を務められていた恩師とのこと。今日の好ゲームに、鈴木コーチも感慨深いものがあったのではないでしょうか。

そして、もう一つご縁の話しを。きょうNHKの中継で解説をして頂いたのは、私の土浦日大高校時代の二つ上の先輩である印出順彦さんだったのです。印出さんは高校3年次に甲子園に出場し、卒業後慶応大学に進学して4年次に東京六大学リーグを制して明治神宮大会で優勝。社会人野球では名門東芝に在籍し、主将時に都市対抗野球で優勝、さらに監督就任後も2回に渡って同大会で優勝している、私にとってはまさにレジェンドの大先輩。その印出さんに初めて解説して頂いた試合でサヨナラ勝ち。私にとっても、生涯忘れられない日となりました。「ご縁」に心から「感謝」!