野球部「2025 センバツ日記」泥臭く、粘り強く。

明日、初戦を迎えます。昨秋の10月20日の歓喜の東北大会決勝戦の1か月後、11月20日の神宮での大敗。東北大会から5カ月強、神宮からは4カ月。様々な準備を経て明日、センバツの初戦を迎えます。

どんな戦いになるかは想像もできません。常葉大菊川はポテンシャルが高く、非常に力のあるチーム。投手陣も複数擁し、打線も長打力を秘めていると思います。ウチの投手陣と守備がどこまで失点を防げるかがポイントだと思います。

でも、少し前まではまだまだ戦えないな、と感じていましたが、一言で言えば「スッキリ」した感じ。ずーっと「雑念」を選手から感じていましたが、それがなくなってきた、そう感じています。昨夜のミーティングでは、もう一度聖光学院が何を大切にしてきたか、自分たちの野球とは何なのか。それをもう一度確認する時間を設けました。

泥臭く、粘り強く。今高校野球界は、「リクルート」とか「スカウティング」が当たり前に行われています。今日、ウチの選手の中学校時代の恩師の方が宿舎に激励に来て頂きました。その方にも聞かれました。「毎年これだけ甲子園に来られて、やっぱり全国にスカウト網を張り巡らせているのですか」と。みんなそう思っているかも知れませんが、私たちはほとんど中学生の野球を観に行くことをしません。いや、できないというのが本当のところです。

現実問題として、「現場」はいつも動いているわけですし、そこには聖光学院を選んで来てくれた選手が練習しているわけです。その選手を尻目に、中学生の勧誘のために動き回ることは私たちは出来ません。1分1秒を惜しんで選手たちと向き合い、成長させたい。そう思っています。

もちろん、今年の選手も、自ら聖光学院を選んで来てくれた子供たち。決してエリートではない選手たちが、まさに粘り強く、泥臭く日々「情熱」を積み重ねてここに辿り着いたのです。

私たちの願いは勝ち負けではなく、まさにその一点。その歩みを、甲子園という「聖地」に刻んで欲しい、そう思っています。

そして、もう一つ。この世代にはいわゆる「関西組」の選手が3名います。しかし、その3名ともに、今回の甲子園選手団には選出されていません。今はまだ春。夏に向けて福島で練習を重ねているのです。しかし、彼らの保護者は、選手団が大阪入りしてから、自分の子どもがそこにはいないのに連日練習会場に足を運び、そして差し入れを頂いたり、バスが出発する際には満面の笑顔で大きく手を振って選手たちを見送ってくれています。

本当に有難いことだな、聖光学院の保護者は凄いな、そう思って感動しています。なかなかできることではないと思うのです。我が子だけにフォーカスせず、チームメイトはみんな我が子と同じ。そう思ってくれているのだと心から感謝しています。

明日、第2試合11時30分試合開始。選手たちにはそういった多くの方々の「気持ち」、そして何よりチームメイトの「気持ち」。その代表選手として聖地に立って戦うんだと、肝に銘じて暴れて欲しいと願います。

がんばれ!聖光学院の選手たち!