2022年6月17日(金)
朝 の 説 教
- 種蒔きのたとえ-
『ルカによる福音書』8章4~8節
イエス様は多くの例え話をされました。今日はその一つ「種蒔きのたとえ」です。芥川龍之介は『蜘蛛の糸』や『鼻』など、自ら多くの優れた短編小説を書きましたが、自殺の直前に書いた『西方(さいほう)の人』の中で、「イエスはたとえ話の名人だ」と称賛し、「特に『善きサマリア人のたとえ』と『放蕩息子のたとえ』は短編小説の極致だ」と絶賛しています。二つとも後で勉強しますので楽しみにしていてください。
今日の例えに出て来る〈種〉とは何の種でしょうか?福音の種です。イエス様の言葉です。その種が蒔かれる場所としてルカは、①道端、②石地、③茨の中、④良い土地、の4種類を挙げています。イエス様の言葉を聞く人間の心は様々だと言っているのです。4種類中3種類は実を結ばない訳で、イエス様の言葉を受け入れ、信じ、行動して実を結ぶ実は極めて少ないと言っています。たとえば、石地に落ちた種は「御言葉を聞くと喜んで受け入れるが、根がないので、しばらくは信じても、試練に遭うと身を引いてしまう人たちのことである」とイエス様は解説しています。 続きを読む →