新井秀校長説教集73~ジョン・ニュートンの人生と「アメイジング・グレイス」~

2022年9月16日(金)

朝 の 説 教

- ジョン・ニュートンの人生と「アメイジング・グレイス」 -

 

今日は聖書から離れて、先ほど聴いた讃美歌の作者ジョン・ニュートンの人生と、讃美歌451番の「くすしきみ恵み」の誕生についてお話します。皆さんは好きになった讃美歌がありますか?私は讃美歌を歌うのが大好きです!でも学校の礼拝ではコロナの影響で声を出して歌うことが出来ずとても残念です。一日も早く大声で神様を賛美できる日が来ることを神様に祈っています。

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新井秀校長説教集72~山上の変貌~

校長

2022年7月6日(水)

朝 の 説 教

- 山上の変貌 -

『ルカによる福音書』9章28~36節

今日の聖書箇所は「山上の変貌」と呼ばれるところです。「人の子イエス」から「神の子イエス」に劇的に変貌した場面です。イエス様は昨日の聖書箇所で、自らの十字架での死と三日後の復活を初めて弟子たちに打ち明けました。イエス様はその決断を改めて確認し、その上で、弟子の代表に自分が間違いなく神の子であることを示す必要がありました。 続きを読む →

新井秀校長説教集71~12弟子を派遣する~

2022年6月29日(水)

朝 の 説 教

- 12弟子を派遣する -

『ルカによる福音書』9章1~6節

今日はイエス様が12弟子を各地に派遣した記事です。当時は新聞もラジオもテレビもSNSもありませんから、何かを伝えるにはそこまで行って直接人々に語りかける必要がありました。関連の『マルコによる福音書』では、弟子を二人一組にして派遣したと書かれており、私もそう思います。ではペテロは一体誰とペアになったのでしょうか?兄弟のアンデレでしょうか?もしかするとイエス様は筆頭弟子のペテロとやがて自分を裏切るイスカリオテのユダとを組ませたのでは?と勝手な想像をします。徴税人だったマタイと熱心党員だったシモンをペアにしたかもしれません。弟子になる前のマタイはローマ帝国の手先となって税を取りたてていた人間、熱心党のシモンは憎きローマ帝国を滅ぼそうと狙っていた人間です。敵と味方の関係の二人でした。そんな二人をイエス様は敢えてペアにしたかもしれません。勝手な想像ですが興味は尽きません。 続きを読む →

新井秀校長説教集70~ともし火のたとえ~

2022年6月22日(水)

朝 の 説 教

- ともし火のたとえ-

『ルカによる福音書』8章16節

今日は「ともし火のたとえ」で、私は16節に絞って話をします。ここでイエス様が「ともし火」と言っているのは、おそらく当時の狭くて暗い部屋で灯(あかり)として用いられたランプのことでしょう。イエス様の時代、貧しい人の家はたった一間で窓は一つだけ。暗くて風通しの悪い家でした。その暗い部屋を明るくするために朝早くからランプが灯され、寝るまで灯され続けたようです。その灯を、「器で覆い隠したり、燭台の下に置いた入りする人はいない。入って来る人に光が見えるように、燭台の上に置く」筈だとイエス様は言っています。 続きを読む →

新井秀校長説教集69~種蒔きのたとえ~

校長

2022年6月17日(金)

朝 の 説 教

- 種蒔きのたとえ-

『ルカによる福音書』8章4~8節

イエス様は多くの例え話をされました。今日はその一つ「種蒔きのたとえ」です。芥川龍之介は『蜘蛛の糸』や『鼻』など、自ら多くの優れた短編小説を書きましたが、自殺の直前に書いた『西方(さいほう)の人』の中で、「イエスはたとえ話の名人だ」と称賛し、「特に『善きサマリア人のたとえ』と『放蕩息子のたとえ』は短編小説の極致だ」と絶賛しています。二つとも後で勉強しますので楽しみにしていてください。

今日の例えに出て来る〈種〉とは何の種でしょうか?福音の種です。イエス様の言葉です。その種が蒔かれる場所としてルカは、①道端、②石地、③茨の中、④良い土地、の4種類を挙げています。イエス様の言葉を聞く人間の心は様々だと言っているのです。4種類中3種類は実を結ばない訳で、イエス様の言葉を受け入れ、信じ、行動して実を結ぶ実は極めて少ないと言っています。たとえば、石地に落ちた種は「御言葉を聞くと喜んで受け入れるが、根がないので、しばらくは信じても、試練に遭うと身を引いてしまう人たちのことである」とイエス様は解説しています。 続きを読む →

新井秀説教集68~百人隊長の信仰~

2022年6月8日(水)
朝 の 説 教

- 百人隊長の信仰 -
『ルカによる福音書』7章1~10節

今日の聖書の主人公はローマの百人隊長です。百人隊長の役目は部下の100人の兵を用いてユダヤ人を監視し、騒ぎを起こさないように警戒することでした。ところがそんな彼が今日の出来事を通してイエス様からとても立派だと褒められています。一体彼のどこが立派なのでしょうか?三つ考えられます。 続きを読む →

新井秀説教集67~与えなさい~

校長

2022年6月3日(金)
朝 の 説 教
- 与えなさい -
『ルカによる福音書』6章38節

今学んでいるところは『マタイによる福音書』の〈山上の説教〉に対して〈平地の説教〉と呼ばれる所です。内容は同じで、人としてどう生きるべきかの教えがぎっしり詰まっている箇所です。イエス様の教えは実に積極的で、「どんどん良いことをしなさい」という教えです。「敵を愛しなさい」、「赦しなさい」、「与えなさい」等のようにです。孔子の教えに「己の欲せざる所は人に施す勿れ」とあります。またユダヤ教の律法の安息日規定では「働いてはならない」、「急病以外の病気は癒してはならない」、「900m以上歩いてはならない」とあります。どちらの教えも否定的で禁止事項ばかりです。ここからもイエス様の教えが如何に積極的で愛に満ちたものかが分かります。 続きを読む →

新井秀校長説教集66~断食についての問答~

2022年5月25日(水)

朝 の 説 教

- 断食についての問答 -

『ルカによる福音書』5章33 ~35 節

1 この出来事の背景・・・今日の聖書箇所は昨日の「レビを弟子にする」に繋がっています。レビは徴税人でした。敵国ローマの手先となって自国民から厳しく税金を取りたて、私腹も肥やしていた人々で、「売国奴」とか「裏切者」と呼ばれ、皆からひどく嫌われ、盗賊や人殺しと同類と見なされていました。私はレビも自分自身が嫌いだったのではないかと思います。「こんな人生では駄目だ!改めなくてはいけない!」と思っていた筈です。だからイエス様から「わたしに従いなさい」と言われるとすぐ「何もかも捨てて立ち上がり、イエスに従う」ことが出来たのだと思います。レビは後にイエス様から「マタイ」という名前を頂きました。「神様からの贈り物」という素敵な意味の名前です。彼はイエス様の素晴らしい言動を『マタイによる福音書』として書き残した人でもあります。 続きを読む →

新井秀校長説教集65~重い皮膚病の患者を癒すイエス様~

校長

2022年5月20日(金)

朝 の 説 教

- 重い皮膚病の患者を癒すイエス様 -

『ルカによる福音書』5章12 ~16 節

 

1 この出来事の背景・・・今日はイエス様が重い皮膚病の患者を癒された場面です。「重い皮膚病」と訳された元々のギリシャ語は「レプラ」、英語では「leprosy」、日本語では「らい病」と言ってきました。重症になると皮膚が崩れ落ち、『聖書の中のらい』の著者であるブラウン博士が言うように「その姿は人間とは思えない程に変形する」病気です。おまけに傷口からは膿が出てきます。播磨醇牧師は『極限で見たキリスト』という本の中で、神学校時代の体験を、「神学生として5週間の夏期伝道実習に当たっていた最後の日、私は初めてらい患者の重病棟に入った。 続きを読む →

新井秀校長説教集64~イエス誕生の予告~

校長

2022年4月14日(木)

朝 の 説 教

- イエス誕生の予告 -

『ルカによる福音書』1章26 ~38 節

 

1年生の皆さん、毎朝の礼拝では必ず聖書を読みます。すぐページが開けられるように、忘れず栞を挟んでおきましょう。明日は今日の続きの勉強ですからすぐ開けることが出来ます。

今日も登場する「イエス」とは親が付けた名前です。当時男の子には良く付けられた名前です。「キリスト」とは「救い主」のことで、メシア・メサイアとも言います。キリスト教とは簡単に言えば「イエスをキリスト(救い主)とする教え」です。今日はその幼子イエス誕生の予告が、天使によってお母さんのマリアに告げられているところです。

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